毎日を編むブログ

かごについて調べ、考え、編んでいます。

小澤典代さんの本「日本のかご えらぶ・かう・つかう」

小澤典代さんはインテリアスタイリストの方です。

私は今年の夏の終わりに銀座のアコメヤ東京でのトークショー「かごのお話し」で小澤さんと「松野屋」さんのご主人松野弘さんとのお話を聞いております。インテリアのプロの視点を持つとともに、ご自身もかごを愛しているのが伝わるお話でした。

そこでご本を出されていることを知り、手にした次第です。3年ほど前に出版されたご本です。

「日本のかご えらぶ・かう・つかう」(小澤典代/新潮社)

 

 

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日本のかご―えらぶ・かう・つかう (とんぼの本)

 

 

すっきりした装丁で、私にとっては常にリビングに置いてある何冊かの本のうちの一冊になっていて折に触れ手にとります。

たくさんのかごバッグや、台所やリビングでつかえるかごのご紹介であるとか、かごを生活に取り入れる際のアイディアとか、かごを愛する方々、かごを生み出す方々、かごを取り扱う方々のご紹介とかとにかく充実した内容になっています。

また、日本のかごの中心的存在である竹工芸の二大生産地、鳥越と別府での取材ではその土地の歴史とともに今の人達が伝統をどう引き継いでいこうとしているかを丁寧に説明してくれています。

そして、民具とは違ってお茶の世界で独特な発展をしてきた「花籠」とよばれる芸術作品についての記事や、「鳥かご」についての記事なども部外者では伺いしれない世界のことを教えてくれます。

私などはかごのことを調べ始めてまだまだ日が浅いですが、知るにつれかごというものはなんといろいろなことを教えてくれるものかと感じます。またその思いを強くしました。

 

しかしこの本、硬い内容なわけではなく、まず本の最初にたくさんのかごバッグが出てきます。それが私にとってはとても身近な感じです。

ざるとか行李(箱)も渋くて素敵ですがかごの中でもかごバッグはひときわ華があります。この本にでているのは本当に珠玉のかごバッグばかり。

どれ一つとってみても素材を活かし伝統を受け継いでいるのはもちろんですがその上で何かキラっと光る+αがあるように感じます。本当に可愛らしい。

 

歴史的な観点でいえば、民具だったり農具だったりしたかご達が、今の時代にお洒落に持つために少し変身したものが「かごバッグ」なのだと思います。

地球に負荷をかけない昔ながらの生活なり仕事なりで昔のままのざるやかごを使っていくということはとても素晴らしいことに違いないですが、こんな可愛らしいかごバッグを持ちたいという気持ちの方がより身近に感じてしまいます。

生活の変化とともにざるやかごが廃れていったこともそれを良しとした時代の必然かも知れないし、またそれを惜しみ残したいと思うのもその次にくる当然のことかも知れません。

その気持ちが今は日本中で静かなかごブームを生み、このような素敵な本を書いてくださる方もいらっしゃるのだと思います。そういうながれの象徴的なものがかごバッグではないでしょうか。かごバッグという言葉も最近まではなかったですし。

昭和時代の奥様の買い物かごも、すでにありません。姿を少しずつ変えていける柔軟さも手作りかごの良さの内かも知れない。

長い時間をかけて手から手へ伝えられて培われてきたものに目を向けさせてくれる力が魅力的なかごには確かにありますし、そういうものを大切にしたい気持ちをたくさんの人が持っているのだと思います。

 

www.zumibasket.com

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