NHKの朝の連続テレビ小説というものをちゃんと見続けられたためしがなかったのですが(ヒロインの女の子があまりにもみんな明るく可愛く前向きなので。)今年は見ています。「とと姉ちゃん」。
なぜかと言いますと、「暮らしの手帖」を作った人の話だということと、昭和の暮らしの中で使われるかご類を見られるのではと期待しているから。
うちには母が読んでいた初期の「暮らしの手帖」が本棚1台ぶんありまして。一度キチンと向き合ってみたいと思いながら時々手に取るくらいなのですが・・
番組がはじまると 、オープニングテーマとともに流れるお台所の様子から期待どおりです。
第1話、ヒロイン常子の母、君子さんも初登場のシーンから買い物かごを持っています。
まだみんな普段着が和装ですね。昭和5年です。
おそらく籐のものと思われるこの買い物かごはちょっと1か所欠けたような感じにして使用感を出してあるようです。
焦って駆け出しているのは、常子が染物を干す高い台に登ってしまったことを聞いたからなのですが
この台にのぼる場面は素敵でした。
暮らしの中の美しさを見出していく生涯が開けていくことをあらわしているんじゃないでしょうか。
台の周辺に置いてある、仕事に使う容器類も当然竹などのざるやかごです。
第4話では常子が、第1話で母が持っていた買い物かごを持っています 。
かごがずいぶん大きく見えます。
着物の着方もかわいいこと。
第5話で重篤な病の床にあって花見ができない父の為に、造花の桜を思い出の桜の木にみんなで咲かせる場面でも、やっぱりみんな手に手にかごやざるです。
悲しくて美しい風景でした。
第6話のお台所。
藁の鍋敷きが存在感出しています。
なんとも理想的にも感じる、戦前の地方都市のきちんとした暮らしの風景です。
貧しさや古めかしさは全くありません。
この後、第7話で父を喪った一家が東京の実家に戻り、ヒロイン常子が高畑充希さんになってからは、今のところ意外とかごが見当たりません。
身を寄せているお弁当屋さんを手伝っているので、買い物かごを持ってお夕飯の買い物に行くような場面がないのですね。
これから激動の時代を乗り越え、常子は都会でお勤めをするようになっていくのだと思われるので、買い物かごを持つような暮らしはしないのかも知れないですね。
しかし「暮らしの手帖」で常子たちが提唱していく、当たり前の暮らしを大切にすることのもとになっているのが、1週目に描かれた浜松の暮らしなのではないかなと思いました。