毎日を編むブログ

かごについて調べ、考え、編んでいます。

完璧な美しさの洗濯物干し。Aaron DunkertonさんのCLOTHES HORSE。

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Clothes Horse – aarondunkerton.com

これなんでしょう。服がかけてあるのでだいたいおわかりになると思いますが名称は「CLOTHES HORSE」。服の馬?CLOTHES HORSEという言葉には洗濯物干しの意味があるのだそうです。すっきりした骨組みの放射状デザインにかご編みにも通じる美しさを感じたので取り上げてみます。

イギリスのAaron Dunkertonさんという方のデザイン。完全に折りたたんでしまうことのできる、星型の物干しです。まだ商品化準備段階だそうですがホームページで写真を公開されています。

この写真がさりげなく素晴らしい。洋服がかかっているカットもそうですがラフな撮影に見えて、この作品の美しさを確実に表現していますよね。

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Clothes Horse – aarondunkerton.com

 

画像を検索していたら、「JIGSAW」という洋服屋さんのディスプレイとして設置されたアーロンさんのCLOTHES HORSEの写真を見つけました。

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Aaron Dunkerton | Jigsaw

記事内のインタビューでアーロンさんは、機能は時にそれ自体で美しい、それこそが私の目指すところ、というようなことを語っています。そのポリシーをそのまま形にしたようなデザインなのですね。

 

商品化を待ちきれず、このCLOTHES HORSEを自分で作ってしまった方がいました。カリフォルニア在住のデザイナーの方。

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たくさんの写真と動画と図解で作り方まで教えてくれていて、ディテールはちょっと違うところもありますが見事にだいたい再現されています。

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DIY Star Shaped Clothes Drying Rack - A Piece Of Rainbow

行動力がすごいですね。彼女の記事によって、似たデザインの物干しがすでに存在していたことを知ることができました。

 

それがこちら。

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完全な円形でないところが実用的な感じ。そしてこれ、「USA made by the Amish」と書いてあります。アーミッシュの方々によって作られているんでしょうか。

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https://www.lehmans.com/product/extra-large-arch-drying-rack

調べてみるとこれに限らず、アーミッシュの物干しというものがアメリカで売られていることがわかりました。

 

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Large Amish Wooden Clothes Drying Rack | Clotheslines.com 

アーミッシュの方々は今でも極力電気を使わない暮らしをされているので、洗濯物は外に干すのだと思いますが、これらの商品に関しては華奢なつくりなので室内干し用のような感じもします。

 

Amish 16-Arm Maple Folding Drying Rack
Handmade Amish Maple Folding Drying Rack, 48"x23"x70"

http://www.houzz.com/photos/47467662/Handmade-Amish-Maple-Folding-Drying-Rack-48x23x70-farmhouse-drying-racks

どれもすっきりしたいいデザイン。Aaron Dunkertonさんのデザインはこのあたりからのインスパイアによるものかもしれないですね。とてもシンプルですが、ここまで軽やかにすっきりとさせるのは結構工夫がいるんじゃないかとも思います。

 

にしても、美しいとはいえこれといって変わったところのない物干しがアーミッシュと冠されていることにはなんとなく違和感が。

 

推測するにアメリカのお国柄なのかも知れないですね。アメリカというところは洗濯物を外に干すということがほぼないのだと聞きます。電力を大量消費することを美徳としていたような時代からいつでも乾燥機を使用し、景観の問題からも外干しなど貧乏ったらしくてとんでもないという風潮があったり、地域によっては禁止されたりしていたそうです。

しかしながらやっと最近では外に干す自由を訴えるひとが現れたり、地球温暖化の問題から電力消費を減らそうという流れがあったり、外干しを禁止してはならないという、「外干しの権利を保証する州法」ができたりと、すこしずつ変化の兆しがあるとか。

洗濯物干し自体が少し特別で、エコを主張するようなアイテムなのかもしれません。太陽のもとに洗濯物を干すのがどれだけ気持ちいいか知らないなんて不幸ですね。

アーミッシュの物干しは、日本人にとっては結構お馴染みの爽快感というか清潔感を、普通に感じさせてくれます。機能がそれ自体で美しいということに通じているようにも思います。そういうことを意識的に完璧にデザインしたのが、アーロンさんのCLOTHES HORSEなのかも。商品化はしてもしなくてもいいけど次の作品も見てみたいですね。