毎日を編むブログ

かごについて調べ、考え、編んでいます。

2017年夏、ジェーン・バーキン風バスケットのブームはついにここまで。

もうバーキン風バスケットについては書くまいと思っていたんですけど、このバスケットを見ましたら、ひとこと言いたい気持ちが湧いてきました。やっぱり少し書いてみたいと思います。

KOBE LETTUCE(KOBE LETTUCE)の「写真映えばっちりの今季マストアイテム!ラタン素材バスケットバッグ/かごバック/ハンドバッグ/レディース/神戸レタス[B1031](かごバッグ)」|ベージュ f:id:chibie50:20170731101829p:plain

http://zozo.jp/shop/kobelettuce/goods/21142749/?did=40487596

みなさんもう良くご存じの、去年から大流行のジェーン・バーキン風バスケットです。

雑誌、お店、ネットショップ、そして街角、ちょっとお洒落なところにはとにかく行きわたった感があります。

素材がヤナギか籐、丸底で上に向かって少し広がった一本手のバケツ型、蓋付き。

この条件を満たしたバーキン風バスケット、しかも裏布付き、がなんと税込2,900円です。定価で。

どうしたもんでしょうか。

 

安値を追及するということはもちろん悪いことではありません。

でもおそらくは人件費最安の国で、それほど熟練工でもない人に作らせていると思われるこのバスケットの出来ばえは、なんとも悲しいと同時にこのブームの終わりを感じさせます。

「写真映えばっちりの今季マストアイテム!」というフレーズと一緒になると尚更。

 

一方こちらは去年からユナイテッドアローズで取り扱われている「VITRAS GEDVILAS」のもの。他のいくつかの大手セレクトショップでもお取り扱いがあります。

f:id:chibie50:20170731105111p:plainUNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)の「<VITRAS GEDVILAS(ヴィトラス ジェトヴィラス)>バスケット 22㎝(かごバッグ)」|詳細画像

http://zozo.jp/shop/unitedarrows/goods/6140064/?did=17621363

税込17,064円。やや高価ですけどそれなりのいい作りに見えます。VITRAS GEDVILASではずっと作り続けられてきた形なのだと思います。価値を認められて支えられて、職人さんが作り続けているかごはだいたいにおいて安くはないものです。

 

そしてこちらの「FREAK'S STORE」のバスケットはバンダナ付きで税込8,100円。

FREAK'S STORE(フリークスストア)の「バンダナスカーフバスケット(かごバッグ)」|キャメル FREAK'S STORE(フリークスストア)の「バンダナスカーフバスケット(かごバッグ)」|詳細画像

http://zozo.jp/shop/freaksstore/goods-sale/16102173/?did=33628300

だいたいこのあたり、8,000円から10,000円くらいが今回のブームで大量に出回ったバスケットの平均値だと思います。生産国や出自はほぼ無記載。

 

7月31日の時点でまだ在庫があるものが多いようですし、早くも夏物セールで半額くらいになっているところもあります。

中古品を扱うZOZOUSEDにもいくつもの出品が。これからきっとどんどん増えることでしょう。

 

ブームというのは必然的にすぐに飽きられて、ブームが去った後に残されるのは大量の、流行遅れになってしまったものたちです。

今年、急に発注を受けて今まで編んだこともなかったような形のかごを編まされた職人さんにも、来年の発注は無いでしょう。

 

とはいえ「かご」というもの自体、もう何十年も前からとっくに「時代遅れ」のもので昨日今日の大変さじゃないんです。(と胸を張る。自分は駆け出しですが。)

「時代遅れ」と「流行遅れ」は違うと思う。時代遅れでもその価値、その魅力を支え育てている人はきっと悲しい思いで見ているんじゃないかと思います。

 

まあ、こういった産業としての問題を度外視してみれば、かごというものは多少下手でも雑でもそれなりに可愛いかったりもするので、「最安値バスケット」も、かごをよく知らなかったりそれほど気にしないのなら、そこそこお洒落に持つことはできるかもしれないし長く愛用する方もいるのかもしれません。

 

でもですね、それはやっぱり残念なことと思います。

 

私最近インスタを始めまして、インスタのフォローなんかを通じて、籐工芸の教室をやっている方や習っている方がかなりいるということをわかってきました。

みなさんとても楽しそうにやっていらっしゃいます。そして、バーキン風のバスケットもたくさん作られているんです。

この形はとても基本的なかごの形の一つなので、習いながら作るのにとてもいいと思います。実際とても丁寧に教わって、優しい、いい形をみなさん作っていらっしゃるようです。きっとこの方たちはこのかごにとても愛しい気持ちを育てられて、大切になさることでしょう。素敵な先生やお仲間との楽しい時間の思い出も蘇える。かごってそういう存在になれるんですよね。

 

みんな、バスケットは安く買うのではなく自分で作ろう。

どこで習えるのか調べて行ってみるのもいいし、独学でやってみるのもいいし、そういう諸々のこと全部が楽しいと思いますよ。

 

 

 

暮らしの手帖にも籐かごの作り方が出ています。

暮しの手帖 第4世紀89号


でもバスケタルもよろしく。