毎日を編むブログ

かごについて調べ、考え、編んでいます。

白い籐と薄色仕上げオプションの話。

籐のかごを作って売っています。

「丸芯」という、籐の蔓の皮を剥いで太さをそろえてある白っぽい材料で作っています。

 

◆ ◆ ◆

 

私のやっている iichi の「バスケタル」のページを見ていただくと、「生成り」のかごと「薄褐色」のかごがあります。

詳しく見ていただくと「生成り」のかごも、オプションで薄色の仕上げをプラスして「薄褐色」にすることができるようになっています。

minne の「バスケタル」の方は今のところ「薄褐色」のみになっています。

ですがご希望があれば仕上げなしの「生成り」でもお届けできるという説明を入れています。

結局どちらも選べるようにしている、苦肉の策です。

 

「生成り」と「仕上げ有」、どちらか一方にしたこともあったのですが、それではどうにも落ち着きませんでした。

どちらがいいか、どちらにするか、私にとってこれはもうずっと考えていて遂に答えの出ない問いなのですね。

どちらでもいいけれど、どちらも捨てがたい。.

思うにこれは単なる色の違いというより、ものの性質の違いでもあるから選べないのかもしれない。

なので、選ばないことにしました。

というか選んでいただくことにしましたという方が当たりです。

デフォルトを生成りにするか仕上げ有にするかでバラついているのは手提げのタイプとお店のタイプとを考慮して自分なりに考えたおすすめが違っているため。

あまりそこには意識せずに自由に選んでいただければと思います。

 

◇ ◇ ◇

 

作りたての生成りのかごはかなり白いものです。

作ってらっしゃる方なら皆さまご存じのように、これは普通に想像する「籐のかご」というものより多分だいぶ白いです。

単純な色の白さだけなく、水気を多く含んだような白さ。

前にも書いたけど(大袈裟に言えば)羽化したての蝉みたいな、まだ日の光にさらされてない、頼りなくてまわりの普通のものから少し浮いている素材感です。

皮膚呼吸しているような柔らかさと、わずかに自然な艶もある。

 

自分で作ってらっしゃる方が、丸芯はそのままだと安っぽいと評しているのを聞いたことがあります。

なるほどそういうことにもなるのだなあと思います。

難しいところです。

でも新しい丸芯できちんと作られた編み目の美しさ、というものは確かにあると思うので、バッグとして持ちやすいかどうかということをひとまず置けば、白くて美しいかごが作れないということはないとも思います。

ではどうすればいいか。

白さが生きるような丁寧な作業で美しい形を作る。

そして経年変化を楽しんでもらえるくらい、長く使える丈夫さと使いやすさを考える。

でもその上で、汚れやすそうな白さと弱さを守る気持ちをお客様に課して購入してもらってもいいものか、やっぱり考えてしまいます。

まだまだ、経験とか工夫とか、必要だと思います。

現実的な対応策として、生成りの手提げかごには透明ビニールチューブを巻き付けた持ち手カバー(外せるタイプ。)を勝手に付けてお届けしています。☟

汚れが気になることに関してはこれで少しばかり良くなればと思います。

f:id:chibie50:20190323170645j:plain

◆ ◆ ◆

f:id:chibie50:20190323170753j:plain

1、2年ではまだ白く、3年、4年と経ってやっと普通に思い浮かぶ薄褐色の籐の色になっていく丸芯のかごです。

上の写真では一番右のもののみ、薄色仕上げを施しています。

3~4年経ったくらいの色味が目標です。

今年は去年の柿渋系とまた違うタイプ。

ドイツの「リボス」の木材保護用オイル(主成分は亜麻仁油。)を調合して使っています。

建築資材や家具の、木材の質感や呼吸性を維持しながら強化し、木目を美しく引き立たせ、汚れや水から守るオイルフィニッシュ、ということです。

確かにものすごく浸透性がよく(それはもう、水以上です。)、においは他のものと比べて少なめ。

なのでこれはこれで一つ、理にかなった解決策ではあると思っています。

去年の染色に比べると色はそう変わっていませんが、表面がやや硬化するので少し艶のある感じになります。

使いやすさをプラスしつつ、生成りの籐の良さをなるべく損なわない、控えめな仕上げです。

スタート時点では少し差があるものの、両者ともここから少しずつ濃い色になっていきます。

 

◆ ◆ ◆

 

参考にしていただこうと思って書きましたがどうでしょうか。

自分にとっては延々と考えている問題ですが、お客様には直感的に選んでいただけばよいのではないかと思っています。

どうぞよろしくお願いします。

 

去年の記事です。